柏市立の小中学校全61校で英語を教えていた外国人指導助手(ALT)について厚生労働省千葉労働局が違法な「偽装請負」と認定した問題で、是正を指導された柏市教委は28日、英語の授業を7月初旬に再開すると発表した。従来通りの業務委託契約だが、授業で外国人講師と日本人教師の受け持ち時間を区切り、教師からの指示命令をなくすことで違法状態とならないようにするという。
同市教委によると、ALTは3月末まで過去3年間、日本人教師と一緒に会話などを指導する「チームティーチング」を行い、事前の打ち合わせや授業後の反省会をしていた。これらが、業務を受注した会社が単に労働者を送り込み、発注元(市教委)の指揮下で仕事をさせる「偽装請負」に当たると千葉労働局に認定され、4月からの授業がストップしていた。
市教委は7月以降、人材派遣会社と業務委託契約を結び、新たな外国人講師を確保。45~50分間の授業のうち、日本人教師が最初と最後の5~10分間児童生徒を教え、真ん中の30分程度を外国人講師が授業をして「役割分担」を明確にする。授業前後の相談や反省会もなくなり、改善点など要望は派遣会社を通じて伝える形になる。
同市立小の50代の教諭は「先生同士がコミュニケーションを取らない授業が、子供たちのためになるのか」と疑問を投げかける。市教委の浮谷満指導課長は「チームティーチングが理想だが、早期再開の方法は他にない。日本人教師が指示命令をして再び偽装請負にならないよう各学校に徹底したい」と話す。来年度以降の雇用形態は、今年度の状況を見て検討するという。
3月末までのALT23人は正規雇用を求めていたが、市は拒否した。
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20100529ddlk12040109000c.html