東日本大震災と東京電力・福島第1原子力発電所事故の影響で、日本国内で働いていた外国人労働者が大量に国外流出した影響が深刻化している。原発事故後に一時、東日本や日本からの避難勧告を出した国々は勧告を解除し、欧米系の外国人は徐々に戻りつつあるが、中国など近隣のアジア系外国人の戻りは鈍いままだ。特に中国人は、留学生や実習生を貴重な戦力として活用していた業界が多く、長期化すれば営業体制の見直しや生産の停滞など大きな影響を与えかねない事態になっている。
外資系企業でも原発事故後、首都圏外や日本国外へ社員を避難させる動きが相次いだが、一時関西などに移転していたオフィスを東京に戻すなど、沈静化の動きもみられる。英会話教室大手のベルリッツも、震災直後は外国人講師が3~4割減ったが、現在は9割程度まで戻っているという。一方で中国人の場合、留学生や実習生など若年層が多く、再渡航の費用確保が難しかったり、「親が心配して日本に戻さない」(在日中国人)ケースが多いとみられ、職場復帰の動きは鈍い。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110425k0000m040086000c.html