プレスリリース
「小さな島国の大きな労働組合から、大きな島国の小さな労働組合への招待状」
島国労組連帯
① 全国一般東京ゼネラルユニオン(略称:東ゼン労組)は、2010年4月25日に結成さ
れた、多国籍・多民族を最大の特色とする全国規模の合同労働組合(日本で初めて3役全員が外国籍の合同労働)です。「すべての国籍、すべての民族、すべての職業、すべての性別の人が加入できる労働組合」です。事務所は東京都新宿区にあります。2019年4月25日で結成9年目を迎えます。初代執行委員長はルイス・カーレット、2013年からは奥貫妃文が執行委員長を務めています。組合員は、現在242名。21の支部があります。現在約25の国籍の組合員がいますが、最も多いのはフィリピン国籍、次いでアメリカ、イギリス、と続きます。2017年10月以来、連合東京に加盟しています。
② 英語を母語とする者もしくは英語を話せる者が多いため、組合の会議は基本英語で進行しています。しかし、現執行委員長含め、英語以外の母語の組合員も多数おり、多言語体制を整えるように努力しています。まだまだ不十分ですが、多国籍・多民族労組として、言語問題はきわめて重要な課題であり、日々改善を図っているところです。
③ 我々のモットーは大きく二つあります。一つ目は、「闘う労働組合」であるということ。労働者の権利を守り、労働条件の維持向上を図るために、労働組合としてできることは全部やろうという覚悟で臨んでいます。もう一つは、「組合内の民主主義を徹底すること」です。一人ひとりの組合員が等しく権利をもち、おかしいことはおかしいといつでも言える体制を整えること。透明性と公正性を確保し、いかなる情報も隠蔽せず、全組合員が要求すればいつでも閲覧できるよう規約で定めています。
④ 初代執行委員長ルイス・カーレットは、おそらく日本初の外国籍の労働組合の専従職員(本職としての専従オルガナイザー)として、以前の労働組合も含めると、15年以上、労働組合活動に従事しています。ルイス・カーレットは、2014年に世界で最も文献引用がされている言語学者ノーム・チョムスキー氏来日の折に、チョムスキー氏から日本での労働組合活動を高く評価され、「Chatting with Chomsky」というイベントでは通訳の大役を務めました。
⑤ このたび、日本から8000キロ離れた北欧の小さな島国アイスランドで2番目の規模をもつ「Efling」(エフリング)という労働組合から、ルイス・カーレットに直接招待状が届きました。エフリングの組織拡大担当役員であるマックス・バルー氏は、上記のチョムスキー氏とのイベントの映像を観て、日本に多国籍・多民族の労働組合が、人種差別や国籍差別に抗い、働く者の権利を守るために活発に活動していることを知り、大きな関心を寄せてくださいました。移民労働者の増加とそれに伴う職場での差別や不平等といった問題は、アイスランドでも共通する問題であるということで、このたび「小さな島国(アイスランド)の大きな労働組合(エフリング)から、大きな島国(日本)の小さな労働組合(東ゼン労組)への招待状」が送られ、グローバルな連帯を深める絶好の機会をいただきました。
⑥ 喫緊のテーマとしては、エフリングは現在アイスランド最大規模のストライキに向け、緊張した交渉を日々展開していたため、「闘う組合」として東ゼン労組の取り組みを聞きたいとの要望を受けています。物価が高騰しているにもかかわらず移民をはじめとした労働者の賃金が上がらず生活を圧迫しているのが現状です。昨今の集団団体交渉が決裂したため、2019年3月8日から、ストライキ(ゼネスト)が決行されることになっています。私たち東ゼン労組が宿泊することになっているホテルのスタッフも組合員なので、ストに参加する予定です。ホテルの機能がストップする可能性が大です。アイスランドでもこのような大規模なストは極めて稀なことであり、それだけアイスランドでは移民をはじめとした労働者が切実な問題に直面しているということです。また、組合内民主主義の実現に向けて、多国籍・多民族労働組合としてどのような方法をとっているのか、ということについて、我々がレクチャーを行うことになっています。そして、日本でも今年の4月から新たな在留資格の創設による外国人労働者の受け入れが始まりますが、アイスランドでも詳細は違えど共通した問題があるということで、アイスランドの現状と日本の現状、相互に意見交換を行います。
⑦ このたびエフリングから主たる招聘者とされたのは、東ゼン労組のルイス・カーレットです。また、執行委員長奥貫妃文と組織拡大担当執行委員であり、上部団体である連合東京の執行委員であるジェローム・ロスマンも、このたび同行することになりました。
アイスランドの滞在期間は、ジェローム・ロスマンが2019年2月27日~3月6日、ルイス・カーレットならびに奥貫妃文が同年3月2日~11日となっています。
⑧ アイスランドは、男女平等指数が9年連続で世界第一位を記録していることで有名です。他方、日本は114位とアイスランドには遠く及びません。アイスランドでは、男女平等理念を単なる労働者の問題だけに留めるのでなく、社会全体の理念として国家が積極的に主導しているという点で大きな違いがあります。たとえば、去年アイスランドで成立した法律では、企業に対して男女の賃金が平等であることを明確に書面で示す義務を課しており、その義務を果たさない企業には罰金を科すという強行的効果を持たせています。このたびのアイスランド訪問において、我々もアイスランドの制度や法律、労働組合の活動など、可能な限り見聞して吸収できるものはすべて吸収してきたいと考えています。
さいごに
このたび、史上初の「アイスランドの労働組合から日本の労働組合への正式招聘の機会」となります。
労働組合のグローバルな連帯の新たな形として、意義は小さくないと考えています。
報道各社、記者の皆様に広く取り上げていただきければと存じます。
◆ 手元資料
① アイスランドの労働組合「エフリング」から東ゼン労組に届いた招待状
② 東ゼン労組のパンフレット
③ 「エフリング」(Efling)のウェブサイトのコピー
連絡先
全国一般東京ゼネラルユニオンTozen Union(東ゼン労組)
執行委員長 奥貫 妃文
〒162-0801 東京都新宿区山吹町294 小久保ビル3B
✉ tozen.okunuki@gmail.com ℡ 090-9363-6580
☆ Website https://tozenunion.org/
☆ Facebook https://www.facebook.com/tokyogeneralunion/?fref=ts